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衛生工学研究室 教授 松尾吉高 様 ならびに学生の皆様17名
所在地:東京都文京区
研究衛生工学 水処理、汚泥処理
水の浄化、その中でも主に下水の処理に関する研究をしています。
UCTプロセスという、南アフリカで考案された特殊な下水処理法について研究しています。
近年、排水中のチッ素やリンがどんどん増えており問題になっているのですが、通常の標準活性汚泥法ではそれらは除去出来ません。
ですが、嫌気好気活性汚泥法という方法を用いるとチッ素やリンを除去できるのです。UCTプロセスはその嫌気好気活性汚泥法のうちの一つです。
下水処理では水中の有機物による汚れを微生物に分解してもらうことによって水を浄化しているのですが、その微生物処理を行う間に微生物自体の量がどんどん増えていき、溜まっていきます。この増えすぎた微生物を余剰汚泥といいます。
下水処理では毎日大量の余剰汚泥を抜き取っていますが、この余剰汚泥を焼却処分するのに膨大なエネルギーが必要になっているのです。
ですが、微生物処理で出た汚泥を一部抜き取り、それにオゾンを吹き込んでからまた戻してやる。すると排出される余剰汚泥の量を大幅に減らすことができるのです。
汚泥自体というのはそのままでは微生物に分解させることが出来ません。ですが、オゾンを当ててやることにより汚泥が酸化され、微生物にとって分解しやすい形にすることができるのです。
2つの全く同じUCTプロセスの実験系統を作り、片方はオゾン処理を行い、もう片方はオゾン処理なしで比較を行っています。
はい。現在、オゾン処理を加えた方の系統の汚泥の量は加えない方の約半分の量になっています。
水中の汚泥の含有率です。この系統中の排水の量はトータルで11.5リットルになり、そこへ一日に30リットルほどの排水が送られます。その排水がそれぞれ系統中を1日につき120リットルずつ循環し、0.65リットルずつ無酸素槽から汚泥を抜き取っています。
そして片方の系統のみ、循環している廃水を曝気槽の中から毎日1リットル抜き取り、それに約1.5グラムのオゾンを吹き込んで無酸素槽に戻してやっています。
その結果、曝気槽における汚泥の含有量は、オゾンを加えない方の系統で1リットルあたり約5000ミリグラム、オゾンを加えた方の系統では1リットルあたり約2500ミリグラムとなり、汚泥が約半分の量になっているということができます。
僕は千葉の出身なのですが、地元に印旛沼という沼があって、それがとっても汚いんです。そういうのを見て育ったので、水の浄化には元々興味を持っていました。それでこの研究室を選んだのです。
使い方の詳細
UCTプロセス実験系統全体の流れ:
オゾン処理の流れ:
オゾン発生量5g/h。コンパクト、空冷式でありながら放電部の冷却効率の安定性に優れます。
現在問題となっている水中のチッ素やリンの浄化処理と、またそれに必要とされるエネルギーの削減という二つの意味で地球環境問題に関わっており、非常に重要な実験だという印象を持ちました。
また、実験を行っている石渡さんは大学4年生ながら非常に真面目に、やる気を持って取り組んでおられ、知識も豊富で驚かされました。是非とも今後の日本の水処理業界を担っていってほしいものです。
インタビュー内容は取材当時のものです。所属、業務内容などは現在では変更となっている場合があります。
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