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導入事例・インタビュー
化学研究所 稲田慶子 様 (写真右)
所在地:京都府宇治市
有害物質廃液をオゾン分解で処理。コスト削減に貢献
研究化学 水処理、廃液処理
――どんなことをされている研究室ですか?
海水の分析ですね。海の水を船で実際に取りに行って、その海水に含まれる成分、主に微量の金属を分析します。
色んなところに行きますね。南極とか。それで海水に含まれる成分を、どの海域にどの成分が含まれている、というように全地球的に理解する、というのが目的です。
――オゾン発生器はどんな用途に使っているのですか?
私は白金族を担当しているのですが、海水に含まれる金属は本当に少ない量なので、目的の金属だけを前処理として濃縮する必要があります。その工程でシアンという薬品をどうしても使わなくちゃいけないんですけど、そこで使われたシアンの廃液を分解して排出できるようにするためにオゾンを使っています。
――シアンとは?
ここで使っているのはシアン化カリウム、青酸カリと呼ばれている薬品です。猛毒のため、そのまま排出することができないのですが、学校に頼んで処理してもらうと一回に数万円の費用がかかります。ですがオゾンを使うことで、簡単に分解処理ができて費用もかかりません。
――研究室で出た廃液を自分のところで処理してしまうなんて面白いですね。
そうですね。先生のアイデアですが、私も環境のこととか考えてもきちんとできているというのは良いことだと思っています。
――エコデザインのオゾン発生器を選んだ理由と、買って良かった点などありましたら教えてください。
先生がエコデザインさんのオゾン発生器を紹介してくださったので他の会社のものと比較となるとよく分からないのですが、コンパクトだったりとか、簡単に使えそうなので選んだってのはあります。もっと凄い大がかりのを想像していたので。
買って良かった点ですか…。やっぱり簡単というのと、それと親切に色々教えてもらったというのはありますね。
――研究していて良かったことは?
自分で設計して作った装置が思い通りに動いているのはやっぱり嬉しいですね、青酸カリを使ったりオゾンを使ったり、危険なので最初は本当に嫌だったんですけど、メーカーの人にお聞きしたりして安全のことを色々考えて…。
本業の金属の分析のほうは、今私のやっている白金族は世界的にもあまり例がなくて。今どんどん値段が高騰していますから。ペイできるかもしれない。金なんかは場所によって含有量がずいぶん違ったりするんです。そういう意味ではすごく夢がある仕事だなって思います。
――どうもありがとうございました。
使い方の詳細
- (1) シアンを含む廃液がポリタンクに保管されている。一ヶ月で約25リットルの廃液が出る。
- (2) ポリ瓶の中に5Lのシアン含有廃液を入れる。廃液中のシアン濃度は1mmol/L。写真はオゾン発生器 (ED-OG-R6) と廃液の入ったポリ瓶。酸素ボンベから酸素を供給し、ポリ瓶にオゾンを吹き込む。酸素流量は1.5L/min (オゾン発生量は約2g/h)。
- (3) 多孔質セラミックバブラーを用いてオゾンの気泡を細かくしている。これを用いることにより、効率が約2.5倍になる。バブラーを用いた状態でオゾンの使用効率は約15%。
- (4) およそ2時間の吹き込み処理で廃液中のシアン濃度が排出基準値 (0.19mmol/L) 以下に下がる。シアン濃度は測定器で計測される。写真はシアン濃度計。
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産業用空冷式オゾン発生器 ファボゾン5 FOG-AC5G
オゾン発生量5g/h。コンパクト、空冷式でありながら放電部の冷却効率の安定性に優れます。
インタビュアーのひとこと
インタビュアー
長倉正弥
研究室レベルで、自分で出した廃液を自分で処理するということに感心しました。コスト面でのメリットもさることながら、この研究室の環境への意識の高さが伺えます。
インタビュー内容は取材当時のものです。所属、業務内容などは現在では変更となっている場合があります。